2011年09月09日
怒りを抱きしめて
通訳の仕事をしていると理不尽なことって沢山ある。日本人と外国人との間の会話のやり取りがかみあわなかったとき‘Maybe it is because of translation’と言われたり、自分が期待していたのとは異なる反応を相手がしたとき‘That was a bad translation!’という発言を浴びせられたり。そういえば外国人上司が日本人部下を怒鳴りつけ、後からそれが勘違いとわかったときに、外国人上司が出先から部下に電話をかけてきたことがあった。日本人部下はまた怒鳴られることを恐れて私に同席を求め、スピーカーフォンで対応しようとした際に、こちら側がスピーカーフォンであると知らない上司が「さっきのは誤解だった。おそらくあれは通訳のせいだと思っている。君が悪いのではなくマフィンの通訳が間違っていたに違いない」とまくしたて、日本人部下は申し訳なさそうに私を見つめていたこともあった。本当は声を上げたい。なんでこんな扱いを受けなければならないの、と頭に血が上ることもある。でも残念ながら通訳者はdisposableである。生意気だ、扱いにくいと思われたらそれでさようなら、である。仕事にはいろいろなメリット/デメリットがあるが、通訳の場合はスケープゴートにされることが頻繁にあることが大きなデメリットであろう。(これを公衆の面前でやられると精神的ダメージもかなりある)仕事で辛い思いをしたときに怒りをどうやって処理したらいいのか、いい方法があればいいなと思うけれどなかなか思いつかない。
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通訳はスケープゴートにされるのをよく聞きますね。
例えば日本の首相とアメリカの大統領の政治交渉の結果が悪いときなど。
その怒りをどうやってみんな発散しているのでしょうか。
でも普通の労働者だっていつも不条理を感じています。
私は先日NO2の上司をどなりました。
理由はその上司が私を無視して、よく部下へ支持するので、頭にきて、大声で暴言を吐きました。
いい大人が大声で喧嘩です。
上司は自分のやりたい放題します。
部下は偉い人には逆らいません。若い部下たちは自分の利益なればいいのです。
本当は無視されても、耐えたほうがいいのですが、いい年になっても若いときと変わらず、とんがっています。
70くらいまでは電車のなかでも高校生と喧嘩できればな、と思っています。いえ、老人になっても喧嘩が強くて、知的なものを身に着けたい、と思っています。
でも、そういうのも含めて通訳ってやり甲斐があるんでしょうね。
違う言語での交渉だと、どちらかの会社が「いいすぎた!」「あんなこと言わなきゃよかった」と思ったとき、都合よく「通訳が勝手に言ったこと」「通訳が誤訳したんだ」と言えるからなんでしょうかね。通訳はクッション役も務めないとならない、ってことですかね。
でも、確かに、そうやって人間って磨かれると思います。
翻訳作業をするときに、左端の文字を縦に読むと「FUCK YOU」となるように、翻訳を行う。翻訳の文体はあくまで格調高く保つことがコツです。
TKさん、うーん。ノーコメントとさせていただきます。人によって違うと思いますが私は帰国子女ではないので指をたてたり、Fワードをいっても残念ながら全くストレス解消にはなりません。
ぴいすけさん。そうですね。私の場合も今の上司が大変理解のある人なので私のことをとても信頼してくれています。これは本当にありがたいことです。自分の上司さえわかってくれれば頑張れるような気がします。一方で通訳に対してクレームをつける人はきっとコンプレックスがあり、通訳者がそのコンプレックスを刺激してしまう存在なんだと思います。なるべくlow profileを保ち、刺激しないようにするしかないのかなと思っています。