2011年10月29日

これからの通訳者に求められるもの

最近様々な会議の中でノンネイティブの発言の通訳をする機会が益々増えてきているような気がする。インド、メキシコ、フランス、シンガポール、タイ、中国…。中には英語と認識できないくらいクセがある人もいる。逐次でも厳しいのに同通を求められるケースも多い。一番最悪なのがノンネイティブとの電話会議。先週も電話会議で同通でお願いします、と言われたが言っていることが全く分からずに本当に廃業したくなった。そして先日はもシンガポール人の英語に苦しんだ。これからの通訳者はいかにノンネイティブ対策ができているかが問われるようになるのかもしれない。でも有効な手立てがなかなかないのが何とも悩ましいところである。
posted by バナナマフィン at 08:14| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月22日

abattoirとavatar

会議が終わった後「ね、アバターって何?」と外人に聞かれた。しまった、間違った単語を使ってしまったかしら、と思ったら私の上司が‘it's not V, but B’とすかさず助け舟を出してくれた。普通はVをうまく発音できなくてBに聞こえてしまうものだけど逆だったいうのはどうやら発音だけの問題ではなく映画の影響でパッと頭に浮かんだのがあの青い顔だったのかもしれない。それにしてもslaughterhouseではなくabattoirが思わずでてしまったところがいかにもマニアックだけれども、何故こんな単語が思わず出てきたのかよく考えてみたら数年前に狂牛病が流行した時にBBCニュースで頻繁にこの単語を使っていたのが頭のどこかに残っていたからだと思う。いつどこでどんなことが役に立つのかわからないものだ、と思う一方、わからなかった外人もいたわけだからあんまり役に立たなかったのかな、とも思う。
posted by バナナマフィン at 21:49| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月15日

weとyouとの使い分け

日本人にとって人称代名詞の使い分けは本当に難しいと思う。sheとheを言い間違えてしまうなんてことは日常茶飯事だし(私は自分が混乱しそうなときは極力名前を言うようにしている。そうしないと訳しているうちに登場人物が勝手に性転換してしまう)youは一般的な人称代名詞とわかっていてもどうしても感覚的に目の前の相手を指しているような気がしてしまう。システム関係の翻訳をしていてマニュアルなど指示書で使うyouは一般的な人称代名詞だが、アプリケーションやプログラム関連のメールを訳していて、相手がプログラマーだったりすると少しややこしくなる。別にyouを使ってもいいのかもしれないけれど自分たちがテストを行った結果はこうなった、と強調したい場合はやっぱりweといいたくなる。でもまた一般的な話になるとyouに戻り、でも具体的な事例になるとweを使う、となるとだんだん訳が分からなくなり、一体誰が何をしたの?みたいになってしまうから日本側と相手側という意味を込めてweとyouを使った方がいいのかな、という結論に達した。もともと私はyouという言い方がどうしても強く感じてしまうのでweで行ける場合はなるべくweを使ってしまう傾向がある。youをもう少しうまく使えるようになればいいなと思うがこれが結構難しい。
posted by バナナマフィン at 08:45| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月09日

“If you live each day as if it was your last, someday you'll most certainly be right.”

アップル社のスティーブ・ジョブス氏が亡くなり、彼のスタンドフォード大学でのスピーチがあちこちで流されている。このスピーチはとても有名らしく、私の友人もすでにこのスピーチを聞いたことがある人が何人もいたが、恥ずかしながら私は今回初めてYouTubeで聞いた。とても感動的で思わず涙がでるスピーチだった。
スピーチの中で彼がタイトルにある文を引用したが、ここでいう"someday you'll most certainly be right"とはどういう意味なのだろうかと考えた。一回目にこのスピーチを聞いたとき私は日本語字幕なしで聞いたのだがこの部分で会場から笑いが出たので最初は額面通り「いつかそれが正しくなる日が来るよ。(死んじゃうよ)」程度に受け取った。でもそのあと何度かこのスピーチを字幕付きでみるとこの部分が「やがてひとかどの人物になるだろう」というものもあった。気になって調べてみるといくつか解釈があるらしい。ネイティブスピーカーの中でも額面通りに受け止める人も入れば、そうでない人もいるらしいことがわかった。もし私があの部分を通訳するとしたらどう訳すかなーと考えてみた。多分私の能力では「ひとかどの人物になる」という訳出はできないと思う。そこまで頭が回らないと思うし、彼はこのスピーチを「死」に関する話として始めているので個人的にはイマイチしっくりこない。私だったら精一杯頑張っても「その日は必ずやってくるのです。」くらいかな。もし多少意訳してよければ(だから精一杯生きなければいけない)くらいは言うかもしれない。でもたった一言のこの言葉が死を意識する言葉として訳すか、または成功を意味する言葉として訳すかによって与える印象が全然異なってくる。言葉を訳すのは本当に深くて難しい。
posted by バナナマフィン at 21:25| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月01日

リフレイン

この仕事を始めてからしばしばあることだけれど、ある特定のシーンや言葉が頭から離れずにグルグルと回り続けている状態が続くことがある。大抵は通訳で失敗したシーンだけれど、ごくたまーに自分が納得できるパフォーマンスができたとき、その状況を頭の中で再生し続けて一人で悦に入る。そのシーンを頭に思い浮かべながらベットに入ることができた時を「至福の時」といってもいいんじゃないかと思う。最近現場で辛い思いをすることが多く、うまくできなかったりダメ出しをされたシーンがグルグル回り続けることが多かったけれど、先日お邪魔した現場が終わった後にメールをいただき「参加したメンバーもマフィンさんの通訳に感嘆しておりました」というとても嬉しいコメントを頂戴した。その一言で心が温かくなり、一気に元気になった。通訳者って本当に単純だと思う。お褒めのコメントは現場で食べるチョコレートよりも有効な活性剤だ。
posted by バナナマフィン at 09:59| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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