2010年06月29日
脳みそがシャットダウンする感じ
同時通訳と逐次通訳。どちらも別の意味で大変だけれど何よりも誰に向けて話をするかによってその緊張度合いと大変さは変わると思う。逐次通訳で聞き手が30人以上いるような会議ではかなり緊張する。そこに一人体制という要素と2時間半×2コマ×2日という要素を加えるとどうなるか。私の場合は脳みそが収縮してくる。いつも自分の中である一定のラインを越えると脳みそが痛くなってくるのだが、そうなると脳みそにも防衛本能があるらしく、睡魔という形で機能停止サインを送ってくる。30代前半と比べるとやはり体力が続かなくなってくるという現実もあるが、体というものは正直なもので、仕事を終えてバスや電車に乗りこみ、座った瞬間にあっという間に睡魔が襲ってきて記憶が無くなってしまう。時間にすると15分程度なのかもしれないけれど、あの睡魔は眠いというより脳みそ停止中という感じがピッタリくる。でもその15分をしっかり確保できるとすっきりするから我ながら不思議だなあ、と思う。
2010年06月26日
同通ブース
ワールドカップでの日本勝利に人々は沸きまくっている。私もにわかファンになってTV観戦をしているが、ああいう世界のひのき舞台で活躍するってどんな感じなんだろうと思う。通訳者にとってのひのき舞台とはたぶん国際会議の通訳とか政府間交渉の会議の通訳とかになるのかもしれないが、たぶんそんな機会は一生訪れない可能性が高いので現実的に考えると、規模の大きい会議やセミナーの同通ブースということになるのかな、と思う。通訳学校や大学の授業で同通ブースに入ったことはあるが、実際の現場で数年前に初めて小さな鳥小屋のような薄暗い同通ブースに入った時、「これが同通ブースかあ…」と一人で感激したことを思い出す。会場にいって「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた場所に案内されるとちょっとドキドキする。ガラス越しに会場を見つめながら、ライトの明るさとか音量とか、マイクの調節をしているとなんだか本当にプロの通訳者になったような気がしてくる。ブースは狭いし、決して居心地がいいわけではないけれど、あそこに通訳者として座っている自分にちょっと酔っているのかもしれない。ブース内の独特の雰囲気、ヘッドフォンを通して聞こえてくるスピーカーの話のリズム、そういった全ての要素がわくわく感を与えてくれる「プロの通訳者体験」ができる同通ブースの仕事はめったにないけれど貴重な経験だと思う。
2010年06月19日
マイレージ研究
私がメインで使っているクレジットカードはユナイテッドマイレージプラスがついたセゾンカードである。ユナイテッド航空には実はほとんどのらないが、マイルの有効期限がないこととポイントの付く割合が割と高かったので10年以上継続して使っていた。その後ワンワールド系に乗る機会が増えたのでアメリカン航空提携のカードを作ったがどうもアメリカン航空はクレジット提携が下手みたいで、私がカードを作ったわずか1年後に提携が解除されてしまった。その後日系のクレジットカードも検討したが、どちらかというと陸マイラーの私はどうも有効期限が気になって躊躇してしまっていた。でも先日アメリカン航空マイルを使いアジアへの特典航空券(JAL)を予約したらなんと2万マイルでゲットできてしまってびっくり。それからあれこれウェブサイトをチェックして私なりに研究を重ねたところ、結構日系のクレジットカードも面白いかもしれないと思い始めた。外資と比べると特典航空券の必要マイル数が低い。あれこれキャンペーンもやっていて思ったよりもマイルがたまりやすいかもしれない。というわけでお試しで一つ日系のクレジットカードを作ってみることにした。さてさて、どうなることやら。
2010年06月16日
都バスはエキサイティング
最寄駅から遠いということもあり、東京に越してきてからは都バスにお世話になることが多い。車に乗るよりは公共交通機関のほうが安全だという先入観をもっていたがどっこい、そうでもない。ここ半年で私はびっくりする経験を二度もしてしまった。
その@。駅からいつものバスに乗ってボーっとしていたら突然いつもとは全く違う場所でバスが左折をした。乗客が驚いて一斉に「運転手さん、どうしたの?」と聞いたら運転手さんが「あっ!…すみません、道順間違えました。」だって。おまけに左折した場所が一方通行だから元の道に戻るまでえらい時間がかかった。こんなこと、あるんだ。
そのA。バスが右折するための信号待ちをしていた。もうすぐ信号が変わって右折するな〜、と思っていたらキキキー、ガシャン!という音とともに凄い衝撃があった。驚いて振り返ったら乗用車がバスに追突していた。運転手さんは慌ててバスを降り、それから携帯で本社に電話して、そのあと乗客の安全の確認をとり、また本社に電話して、それから警察に電話して、警察が来るまで待って…結局解放されたのは30分以上経ってからだった。でも交差点で停車しているバスが追突されることなんてあるんだ。さすが都会だわ、と思いつつやっぱりバスくらい安心して乗りたいなというのが正直な気持ちである。
その@。駅からいつものバスに乗ってボーっとしていたら突然いつもとは全く違う場所でバスが左折をした。乗客が驚いて一斉に「運転手さん、どうしたの?」と聞いたら運転手さんが「あっ!…すみません、道順間違えました。」だって。おまけに左折した場所が一方通行だから元の道に戻るまでえらい時間がかかった。こんなこと、あるんだ。
そのA。バスが右折するための信号待ちをしていた。もうすぐ信号が変わって右折するな〜、と思っていたらキキキー、ガシャン!という音とともに凄い衝撃があった。驚いて振り返ったら乗用車がバスに追突していた。運転手さんは慌ててバスを降り、それから携帯で本社に電話して、そのあと乗客の安全の確認をとり、また本社に電話して、それから警察に電話して、警察が来るまで待って…結局解放されたのは30分以上経ってからだった。でも交差点で停車しているバスが追突されることなんてあるんだ。さすが都会だわ、と思いつつやっぱりバスくらい安心して乗りたいなというのが正直な気持ちである。
2010年06月13日
恐怖心
英日同通がうまくなりたいと思う。日本を仕事をしていると英日同通のスキルが問われることが圧倒的に多い。個人的には日英もうまくなりたいけれど英日同通を上達させるには日々の努力が欠かせないなあと痛感する。自分の知っている分野ではある程度こなせても未知の会議の英日は恐怖感を伴う。知らないからどうしても焦ってしまって出てくる単語と次から次へと出してしまいたくなる。最近その恐怖心を克服するために二つの方法を試みている。一つは声の出し方を小さくすること。もちろん同通ではマイクをつけているので通常よりは声の出し方は小さいが、囁きよりも多少大きい程度の声にするようにしている。そうすると話すことより少し聞くことに集中できるような気がする。二つ目は一つめと矛盾しているかもしれないけれど、自分の訳出を聞く。私はよく一文を終わらせずに次にいってしまい、尻切れトンボの文章を続けてしまう癖があるので、苦しくても何とか一文を最後まで言い切るように努力している。当り前のことかもしれないけれど、これが結構難しい。自宅で練習するときに自分のパフォーマンスを録音すると、自分では言っているつもりでも語尾が明確でないことがかなりある。これがきちんとはっきりいえるようになれば少しはましなパフォーマンスになるんだけどな、と思いつつ少しずつでも改善できるよう今日もしつこく自分のパフォーマンスを聞いている。
2010年06月11日
Weは強い味方
日英をしているときに私は主語の選び方でよく失敗をする。日本語だったらどんな主語を選択しても(まあ主語がないことも多いが)そのあとのセンテンスをうまくつなぎ合わせることはそれほど難くないが、英語だと主語の選択を間違うとドツボにはまる。そのあとのコロケーションを考えたときに「しまったあ、あれを主語にしておけば何の問題もなかったのに!」と悔やんでも後の祭りである。特にメモを取っているとどうしても日本語に引きずられてしまって日本語の主語をそのまま使いたくなるがここでグッと一瞬こらえて英語頭に切り替えられたらどんなに楽だろうと思う。私の日英が不安定になるのは主語があれこれ登場する内容の逐次通訳だ。特に自分があまり知識がない場合、脳みその使い方に負荷がかかるので少しでも余計な作業を減らしたい。そんなときに大活躍するのがWeである。全てのセンテンスをWeで始められたら何て楽だろうと思う。人が話をするときは無意識にリズムをとっている。人によってはそれがyou knowだったり、I meanだったりするが、私はWeで始まるセンテンスだととても安心する。たぶん自分のリズムに合っているのだろう。そればっかりではマンネリ化してしまうのでもちろんWeばかりに頼ることはできないが、今日の会議でもやっぱりWeに助けられた。
2010年06月06日
通訳学校依存症を脱するには
通訳学校を卒業(追い出された?)してから1年以上経ってしまった。昔と違って今は通訳学校の通学平均年数はかなり長くなり、10年近く通い続けている人も沢山いる。10年近く学校に通い続けると早く卒業したいという気持ちがある一方で学校が生活の一部となり、学校に行くことが自分の勉強のリズムの中心となってくる。またそこで出会った友人はかけがえのない心の支えとなり、友人とおしゃべりしたり情報交換することが学校に行く目的にもなったりする。そういうものがなくなってしまって一抹の寂しさがよぎる中、この先自分自身で通訳の勉強を続けなくてはいけないことに不安を感じている。ブツブツ文句を言いつつも講師に自分のパフォーマンスに対してコメントしてもらったりダメだしをしてもらなわないとしっかり勉強した気持ちになれないのはやはり通訳学校依存症だろうか。ここから先は単に教えてもらったり与えられたりするのではなく自分で手探りで効果的な勉強方法を探るしかない。今度は自分が自分の講師にならなければならない。できるかな?大丈夫かな?でもやるしかない。
2010年06月05日
多様性
これだけ国際化がすすんでくると、ありとあらゆる国の人が英語を使ってコミュニケーションをとるようになり、必然的にネイティブ以外の英語を聞く機会も増えてくる。まあネイティブといってもアメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、スコットランド、アイルランドなどなど、アクセントも様々だ。多少癖があったとしても例えば一人の人に一日べったりついていたりすれば多少耳が慣れてきて対応できるようになるが、上記の国の英語プラス、フランス英語、インド英語、シンガポール英語などが一気に集まり一斉に話し出したらたまったもんではない。こういうときに「あー、帰国子女だったら…」とつくづく思う。純ジャパの私の耳はこういうときはあまりに多様なアクセントの嵐にアップアップになってしまい凍りついてしまう。以前に通訳学校の試験でかなりクセのある英語のスピーチが題材となっていて非常に腹が立ったことがあったが、でもこれが現実なのかもしれない。こういう英語のシャワーを浴びると自分の英語耳の未熟さを痛いほど感じさせられる。
2010年06月03日
資料の読み方について考える
社内通訳をしていると会議の前に事前資料をもらえないことも多いが、単発のお仕事だと資料が命である。本当は数日前に資料をもらえると助かるけれど直前になることも多いし、ヘタをするとアジェンダしかもらえないこともある。私は以前にわりと規模の大きい会議の通訳をする機会をいただいたことがあるが、その際に資料の読み込み方をミスってしまい、できることなら忘れたいと思うような情けないパフォーマンスをした経験がある。そのときはメインスピーカーの原稿が出たため、本番で原稿に頼ってしまい耳がおろそかになってしまい、スピーカーのスピードについていけなくなってしまったり、彼が脱線したときにうろたえてしまったのである。あれが教訓となり本番では聞くことに集中しなければいけないと痛感した。それからは事前に原稿をもらってもあくでもそれはお守りとしてもち、本番で原稿を追っかけることは避けるようにしている。私の場合、事前準備というと読み込むというよりは書いて覚えるタイプなので、資料にはかなり書き込みをするが、それは本番でそれを読むためではなくて書きながら脳みそに記憶させるためである。この作業は時間もかかるし手書きなので手が疲れてしまうが、こういう地道な作業が本番で大きな違いを生み出すような気がする。
2010年06月02日
日本のトイレ文化に感嘆する外国人
先日ビジターと食事をしていて、彼女が延々とウォシュレットの素晴らしさを語っていた。日本といえば最新式の携帯電話とその機能がよく話題に上るがその次に話題になるのがトイレだと思う。確かに私も海外にいって何が一番イヤかというとあの冷たい便器に座る瞬間とウォシュレットが利用できないということだった。それなりのホテルでも海外ではウォシュレットが備わっていないことが多い。特に冬の朝、トイレに座るときは一瞬息を止めなければいけなかった。日本人ってすごいなーと思う反面、何で外国人ってそういうところがインセンシティブなのだろうとも思う。特にイギリスやオーストラリアのトイレ事情って本当に旧式でビックリするくらいだ。インターネットや携帯ばかりが技術の最先端のように思われるけれど、トイレという人間に欠かせない部分でも早く他の国が日本に追いついてくれないかなーと切に思う。